【J1 1st第5節vs鹿島】トップ6の戦い

ちょっと書くスタイルを変えないと続かない状況になってきました。

中断明けに、人が減り。

f:id:maplesyrup16gal:20160412204337j:image大島・大久保・車屋抜きのスタメン。第4節まで不動だった面々が鹿島戦で不在というのはとても痛い。中盤で底からリズムを作る大島と、1.5列目に降りて高い位置での組み立てに貢献していた大久保がいないことで、中を崩す、あるいは中で押し込みづらくなるのでは、という懸念。さらに、中が詰まっているときにここまで「困ったら車屋」的に縦打開のキーになっていた車屋まで不在。これに替わって入ったのは武岡、森本、田坂。

鹿島の前線のクオリティで組み立てが瓦解。

金崎とカイオがとにかく脅威。二人にシンプルにボールが渡るだけで起点になって押し込まれ、特にカイオは手がつけられない状況でした。前線からの守備についても赤崎と合わせて運動量豊富、強度も十分。森谷のところにパスが入るときはだいたい背中に人を背負った形になり、なかなか前を向けない。サイドも1人で勝負するタイプではなく、ビルドアップが厳しいなかでは攻め手がないように見えました。森谷に関しては前半最後には取りどころとして狙われていた感があります。憲剛が一発裏のパスを幾つか狙っていましたが、これが出るときは組み立てとしてはうまくいっていないときと言っていいような気がします。エウシーニョや悠の受け方、トラップのうまさでいくつかチャンスを作れてはいましたが、全体としては苦しい状況でした。(エウシーニョは中盤守備での球際の良さが光っていたように思います。)
それでも守備は谷口のクリアミスからの1失点に留め、ソンリョンと両CBを中心にいい集中力でした。あれだけサイド打開から決定機をいくつも作られての1失点は、相手に助けられたところも大いにありますが…
得点は森谷から田坂への縦パス、さらに悠への裏パスでもたらされました。これは組織云々ではなく個人の呼吸の問題。特に、田坂の間に入ってのシャドーパサーとしての能力と、悠の受ける力によるところが大きい。飛び抜けた何かがなければ、このレベルでは点は入らないということでしょうか。

勝ち点3をやらなかったことが大きい。

後半は森谷に替えてネット。縦パスでいいのが幾つかありましたが、サイドに早くはたきすぎて攻撃が単調になっていたような気がします。懐が深くて取れそうにないボールが取れたりキープできたりするのはいいですが、ショートパスの角度を作るのに時間がかかっていて連携での崩しは出来ないなぁと感じました。タイミング的に受け手にとって選択肢の絞られる出し方が多いです。あと、ターンの判断がリスキーなものが多くて連続したプレスを受けると危ないロストをしたり。縦パスも結構お祈り系が多い。うーん、伸び代。
 75分回ると武岡もいよいよきつくなってきて、いつ点を取られるかという状況。エウシも獅子奮迅の頑張りでしたがさすがに限界で攣ってましたし。攻撃陣も、サイド打開のキーとして期待のかかる中野がどうにもスッキリしない。中野はサイドアタッカーとしては間合い管理で一瞬外す、というのが独力では今のところMAXでしょうか。SBの追い越しを天秤にかけてのカットイン、というテンプレを越えねばならんですね。スピードがあるタイプではないので、剥がしたタイミングでの判断が大事なのですが、現状は迷いが見られがち。サイドでなければ真ん中の選手として台頭せねばなりません。3枚目として登場した大久保でしたが、こちらも独力で違いを見せるには至らず。不十分な状況からのミドルに留まりました。中盤に下りるわけでもなく、途中出場で一発を狙うには自身のコンディションもチームの状況も厳しかったというところでしょうか。
それでも、鹿島には点が入らなかった。彼ら自身の決定力によるところもありますが、ソンリョンとCBの粘りによるところも大きかった。ブレずに、自陣を守り抜く姿勢と気迫はチームに確かに伝わっていたと思います。SHとSBの間のスペースをいいように使われるのは両サイドとも大きな課題ですが、とにかく引き分けという結果を持ち帰れたというのが大きい。
今節の鹿島は非常に良いチームでした。前線からのプレスをベースにした固い守備は普通の攻撃では破れる気がしませんでしたし、攻撃面でもカイオと金崎を中心に良い形をガンガン作れる。このコンディションが1シーズンもつのなら、間違いなくトップ6どころではなく、優勝候補でしょう。逆に川崎としては、必ずしもベストではない状況の中で彼らに勝ち点3を持ち帰らせなかったことが大きい。ネットと武岡をトップチームで試しつつの結果としては、御の字の結果と言えるのではないでしょうか。

層の厚みが必要。守備力の高い相手FWの処方箋も、必須。

今節は大島も車屋もいない状況で、どのように試合を作るかというのが懸案でした。結果として内容としてはやられた試合でしたが、勝ち点1を持ち帰った。これはこれで今季のフロンターレの力として評価すべきところだと思います。薄氷の結果でしたが、上位陣の試合はそんなものと捉えたほうがいいでしょう。今後としては、いかにベストでない布陣であっても相手に怖さを感じさせられるくらいのチームにできるか。最終ラインでの組み立てが阻害される状況では、中盤かサイドのどちらかに武器がある状況が作れれば優位が作れますが、そうでなければDFの粘りと前線の煌めきに期待する試合展開にならざるを得ないのでしょう。攻撃で個として違いを作れるのは悠と、大久保。彼らにひたすら祈る展開の試合が少しでも減るといいのですが…

さて、鳥栖戦書きます。