【J1 1st第4節vs甲府】勝つべくして勝つこと
空いてしまいました。ナビスコ2試合見終わってからの今、です。既に甲府戦見終わっての気持ちではかけませんが…積み重ねることが大事と思って書いていきます。
前半8分にリードできたこと
後半になっても、来ない。これに対して川崎は無理に仕掛けることはなく、甲府の前線がふらふらと食いついてくるまでバックラインでボールを保持し、いいタイミングで大島や憲剛が相手のラインの間にうまく入って前線にボールを供給していました。
そうこうしている間にコーナーからまたしても憲剛。3-0。ここで勝敗は決したと言っていいでしょう。73分には谷口から田坂に交代、車屋をSBに。77分には森谷から森本に交代、悠をサイドに。85分には大島から初出場のネットに。田坂とネットを試せたのは収穫でした。ネットは小回りは効かなそうですが、リーチの長さを活かしたキープと、ドリブルで前にボールを運ぼうとする意識は垣間見えました。預けて前に走る、というイメージもあるようでしたね。4点目はネットが田坂に縦パス、これを田坂がフリックして森本、さらに縦に抜けた田坂に戻してキーパーと1対1。交代出場選手そろい踏みの中央突破という形で結果がでた、というのは願ったり叶ったり。
甲府の脅威は概ねクリスティアーノ絡み。早い段階で一発入っていればまた違う展開だったかもしれないです。結果的に4-0というスコアで、実際に実力差は大きかったとは思いますが、試合を決めた3点は全てセットプレーでしたし、崩し切ったとも言えない試合でした。
ただ甲府がファールで止める場面が多かったのは間違いなく、それを思うとセットプレーで勝敗が決したというのをあまり斜めに見る必要もないかな…と思います。甲府はレイト気味のタックルが多く、見てて少し怖かったですね。。ファウル後に笑ってたのもいかがなものかと…
確実に勝てたこと、けが人が出なかったこと、今季初出場の選手を試せたことをもって、これ以上の結果を期待するのは望みすぎくらいかもしれません。4戦終わって3勝1分、中断期間を1位で迎えられたことが本当に素晴らしい。そういう試合でした。
あと、谷口と車屋の左サイド。結構良かった気がします。2人とも狭いところでパス交換する意識があるので、ボランチを絡めての三角形で左サイドを崩す形が見られたのは今後期待できるような気がしました。谷口については前節の右SB、エウシとのコンビは厳しかったですが、(名古屋と比べて脅威が小さかったですが)車屋とのコンビでの左はありかなと感じさせる内容でした。武岡との競争になりますが、ウインガー車屋を使いたい場合、高さを出したい場合、より重心低めで組み立てを行いたい場合などは今後も出てくる形かもしれませんね。
【J1 1st第3節 川崎×名古屋 後半】勝利につながる決意ある行動
土曜早朝に前節後半を更新するのがデフォ、にはしたくないんですが…。甲府戦。クリスティアーノには昨年やられたイメージしかないですが、ディフェンス陣の奮闘を期待します。
攻めているときのリスク管理?
さて、後半。に、入る前に。ハーフタイムの監督コメントなんですけどね。
ゲーム記録・速報 - 2016/J1リーグ 第3節 vs.名古屋グランパス : KAWASAKI FRONTALE
「シンプルにつなぎ、ボールを動かしていこう。攻めているときのリスク管理を。止める、蹴るを正確に集中して。」
はて。攻めているときのリスク管理とは何でしょう。ボールサイドの逆は少し低めのポジションを取れ、とか、普通のチームだったらそういう解釈をするところなんですが、風間監督がそういった趣旨でこの発言をするとは思えない。ボールに絡んで、押し込むことで相手の陣形を崩して有利な形で守備を開始する、というのが基本思想なハズなので。後半のSHの森谷、エウシともに特段低めの位置取りではなかったと思うので…だとすると、マイボールになるかロストするかの判断を早く、若干ロスト警戒に重きを置いて、くらいのものでしょうか。もしそうだとすると、求める水準たけぇ…(普通?)そんなこと言ったって絶対、攻撃参加減ったらダメなんでしょうしねぇ…。
連動少なく、外からメインになった後半
狩野out、森本in。狩野は中央にしてもサイドにしても、攻撃面でどのように独自性を出していくか、今後に期待です。無難なさばき役に終始してはもったいない。パサーは背後に控えているので、バランスとしては仕掛けや細かいパスアンドゴーで違いを出してほしいところです。森本は真ん中で受け手になる選手。崩しに絡むよりは、一発で怖いところに顔を出せるよう、動き直しを繰り返している印象です。体半分、DFを外してシュート、のようなイメージではないでしょうか。彼には足元で早いボールをバンバン入れてOKでしょう。たとえばこんな。
大久保が右に開いて組み立て、ボールアウトから早いリスタートし中に弾丸パス。お祈りクロスとは一線を画す、止めれば大チャンスというボール。森本もうまく収めて威力のあるシュートまで持っていきました。楢崎のファインセーブを褒めるべきでしょう。
名古屋は最終ラインに人数を並べ、かつ中央へのパスを切って外に行かせるよう仕向けていたように思います。
右サイドでエウシと森本と大島が細かくつないでプレスを外し、左に展開したところ。
森谷がボールを運んで左の車屋に預けます。もう少し溜めて渡せば車屋がさらにエグれたような気がするんですが…永井の対応は「どうぞ外へ!」とばかり。
待ってましたとばかりに矢野が寄せて1on1。それでも躱しちゃうのが今のウインガー車屋の好調さではありますが、セカンドディフェンダーとして永井がカバーに入ります。せっかくここで永井が車屋に寄っていったんですから、森谷に空いたスペースに顔を出してのワンツー、あるいは裏に抜けてゴールエリア左あたりのスペースを使ってほしかったですね…。狩野が左のときもそうなんですが、どうも車屋に預けた後が中に入って待ってるだけになっちゃって淡白に思えます。大島ミドルへの寄せも剥がせたかもしれないし…大島は、惜しい。続けてくれ。いつか入る。
その直後、失点。サイドチェンジから永井が横スライドからのゴラッソ。ロッベンみたいな感じでした。サイドチェンジが入った瞬間の寄せが若干甘かったこと、中を切ったはずのエウシがキックフェイントに簡単につられて谷口をスクリーンするような恰好になってしまったこと、カバーするポジションをとっていた大島が仁王立ちしてしまったこと、など。永井が速かったことも大きいですが、枚数は十分揃っていたにも関わらずまたしても淡白な守備になってしまいました。奈良・エドゥコンビに過失はないでしょう。ソンリョンが動けなかったのが批判されてますが、永井の打つタイミングとコースが良かったと思います。あそこしかない、て形。
崩せたわけではない。それでも悠抜きで勝ち点3を取れたこと
湘南戦に続いてリードされる嫌な展開。奈良out、中野が左SHにinで森谷が右SH、エウシが右SBで谷口がエドゥとCB。中野は間合いとリズムで抜くタイプのドリブラーですが、名古屋の最終ラインにあれだけ枚数がいて常にカバーできる距離感を保っている状況では、なかなか仕掛けるのは難しいように感じました。結果的に、車屋が中野より高い位置を取っている局面が散見されるような状況でした。
得点は崩しとは関係なく、個人の駆け引きから生まれました。75分、ショートコーナーでケンゴから大久保。ケンゴはファーストタッチが大きかったように思えましたが、結果的に楢崎の頭上を越すロブを上げ、ボールインより前からずっと駆け引きをし続けていた大久保が抜け出して一発。さらに84分、相手ボランチの交代直後、スローインを森本が落としてケンゴがズドン。「ここで一発狙ったる」という決意が生んだゴールだと思います。等々力に最高の瞬間が訪れました。勝ち点3。大事。
永井の一瞬のスピードは常に脅威であり続けました。安田からのスルーパス一本で抜け出され、ゴールネットを揺らすも松田のオフサイドになったプレーだけでなく、ソンリョンとの1on1になったケースがいくつもありました。突出した個を止められているわけではない、ということです。
引いた相手を崩せているわけでもありません。大久保が攻撃の質が悪いと発言しているそうですが、確かに広島戦の1点はカウンター、湘南戦のゴールも大久保の1点目は狩野の奪取からのカウンター(森谷のスルーはよかった)、悠の2点も押し込んだわけではなく縦パス一本、森本の4点目はクロスです。連動で点を取るというよりは、前線守備から点を取る形になっているように感じます。押し込むのは点を取るためというよりも、いい形でボールを奪うため、のような。ゲーゲンプレス至上主義、というわけでは当然ないですが…。
要所要所で名手によるゴラッソが飛び出し、2勝1分の首位というポジションにいますが、盤石には程遠い内容でしょう。新造DFラインの守備の練度が上がってくればもう少し落ち着いた状況になるかもしれませんが、優勝となると攻撃のほうもこれで満足するわけにはいかなそうです。期待して、見ていきたいと思います。特にサイドの選手きついけどマジ頑張れ!森谷!狩野!中野!田坂!あと武岡帰ってきて…!
次節、甲府は9時間後…
昨年さんざん苦しめられたクリスティアーノと、フィジカルのあるニウソンが前線を張る甲府。名古屋戦と同じような展開が予想されます。名古屋はボックス周りの守備の集中と距離感が良く、サイドに追いやられて苦しみましたが、果たして甲府はどうでしょうか…。今度は悠がいますから、フィニッシュの形が増えて崩しやすくなると思うのですが。ラインの高さによってはドリブラー中野か長谷川の活躍に期待したいところです。